2014年12月20日土曜日

エッシネンゼー展望コースを歩く~カンデルシュテーク

2012.7.24
ホイベルクからの眺め 眼下にエッシネンゼー、
湖を取り囲むフリュンデンホルン(3369m) ドルデンホルン(3643m)
ベースはカンデルシュテーク、ツェルマットのような華やかさはないが、静かでとても落ち着く街である。前回は湖からウンターベリクルまで登ったが、さらに上のオーバーベリクリまでは行かず終い。今回は、山腹をトラバースしオーバーベリクルに至り、湖を経てカンデルシュテークへ下るコースを歩く。エメラルドグリーンの湖と背後に迫る山々の景色に心躍ります。








コース概略:
山上駅(レーガ)(9:10)~標識(9:28)~ホイベルク(9:58 10:03)~オーバー・ベリクリ(10:38 11:45)~ウンターベリクリ(12:10 12:40)~エッシネンゼー(13:08 14:30)~カンデルシュテーク(15:15)
歩行時間:3時間10分

山腹をトラバース ホイベルクへの道



トレッキング・スタート地点のレーガー(1999m)まで、テレキャビンで一気に上がれるので楽チンである。
ここから少し歩くと分岐の標識がある、直進はエッシネン湖、左手がホイベルクへの登り道である。山腹をトラバースしながら徐々に高度を上げ、避難小屋らしき場所を通過し、30分程でホイベルクに到着。湖に突き出たような崖状の台地になっており、ベンチも備えられている。ここは絶好の展望台で、目の前にはブリュムリスアルプ連山に囲まれたエッシネン湖の壮大な景観が広がっている。深いエメラルドグリーンの湖を観ていると、思わず吸い込まれそうで、あまり崖に近づかない方が良さそうだ。ベンチでも腰掛け、素晴らしい景色を目に焼き付けておこう。それにしても、湖を取り囲むよう屏風岩のような山々の迫力には圧倒される。左下には、ウンター・ベリクリ小屋も遠望できる。
断崖の陰にエッシネンゼーが見える
ブリュムリスアルプの放牧地
長閑な放牧地に立つオーバーベリクリ小屋(1978m)
ブリュムリスアルプ氷河が大迫力で迫る
ウフェムシュトック、ブリュムリスアルプホルン、
ブリュムリスアルプロートホルン(左から)
ここからほぼ平坦な道を辿っていくと、目的地のオーバーベリクリ小屋(1978m)が見えてきた。この辺りは放牧地で、放牧小屋の回りには牛、ヤギがのんびり草を食んでいる。小屋の後方には、氷河を抱いたブリュムリスア ルプ連峰が聳え立っている。さらに上へ登ると、ブリュムリスア ルプ・ヒュッテまで行く事ができるが、今回は計画してなかったので諦めた(もう1度来る機会があれば、次回はブリュムリスア ルプ・ヒュッテを目指したい)。小屋上の岩場でヨーグルトを食べながら。1時間程カウベルを聴きながらのんびり過ごした後、エッシネンゼー目指して下って行く。
岩場に立つヤギ ブリュームアルプ放牧地にて
ウンターベリクル小屋
急な岩場の下りで、何カ所かロープが張ってあるが特に怖い所はない。25分程でウンター・ベリクリ(1724m)に到着。小屋を少し下った見晴らしの良い所でランチ、眼下のエッシネン湖はどこか神秘的な感じがする。この辺りは沢も流れ、牧歌的な雰囲気がする居心地の良い場所である。オーバーハング気味に大きな岩が迫ってくる湖畔沿いの道を辿り、湖畔に建つホテル・レストランに着。湖畔には大勢のハイカーで一気に華やかさを増した感がある。前来たとき、ここでスパゲッティを食べたが、あまり旨くなかった記憶が蘇ってきた。時間がたっぷりあったので、湖畔の草原で寝転びながら1時間程過ごた後、カンデルシュテークを目指して下っていく。
エメラルドグリーンが美しいエッシネンゼー
どこか神秘的な香りがします
登山道で見つけた高山植物

2014年12月2日火曜日

ラック・ブランへの絶景ルートを歩く~モンブラン山群

ラックプランからの雄大な眺望

2009.8.14
ラックプラン(白い湖)は、シャモニ谷を挟みモンブラン山群の反対側にある山上の湖である。湖の正面にはモンブラン山群の雄大な大パノラマが広がり、絵も云えぬ絶景を楽しむ事ができる。今回のコースは、モンブラン山群の素晴らしい展望を観ながら山上の湖ラックプランへ、さらに花に囲まれたフローリア小屋を経てシャモニへ下る道を歩く。

コース概略:
プランプラ(9:20)~シャルラノン(10:15)~ラ・フレジュール(11:05)ーランデックス(11:30)~ラック・ブラン(12:30 13:55)~ラ・フレジュール(14:50 15:00)~フローリア小屋(15:55 16:25)~シャモニ(17:00)
歩行時間:5時間10分


 シャモニ谷に向かって一気に飛び出す

トレッキング・スタート地点のプランプラ(1999m)まで、テレキャビンで一気に上がる。ここはパラグライダーの聖地で、大勢のパラグラダーがシャモニ谷に向かって飛び立っている。風をうまく攫み、一気に谷を上を舞う姿をしばし見学した後、出発だ。上手にあるレストラン(Altitude 2000)のを経て、赤い針峰群の大岸壁を巻きながら見晴らしの良い下り道を進む。眼下にシャモニの街、その後方にはモンブラン山群の素晴らしい展望を観ながら快適なコースを約40分歩くと、広々としたカール状のシャルラノンへ着く。
岩場から顔を出した人気者のマーモット

モンブランを観ながらの快適なトレッキング
ランデックスからは岩場の下り
ここからはアップダウンがあるが、さして険しい所はなくフレジュール小屋に到着。ここからリフトに乗り、標高2385mのランデックスへ向かう。ここからゴツゴツした岩場の下りを進むと、フレジュールからの分岐点にぶつかる。階段状の急な登りを10分程登ると、目の前に突然湖が現れる。湖に浮かぶようなモンブラン山群の白き峰々が目の前に広がり、感激で言葉も出ない。
ラックプランへの最後の登り
左からドリュー、グランドジェラス、シャモニ針峰群、モンブランと連なる山群は息を飲む程の美しさである。こんな景色を観られるので山登りは止められない。湖畔には石造りの山小屋が建っており、テラスでは大勢のトレッカーが食事を楽しんでいる。残念ながら、午前中は逆光気味で写真撮影には少々不向きである。山小屋に宿泊すれば、湖面に写るモンブラン山群の夕景や、朝焼けの景色を観る事ができるのだが…。湖を見下ろす岩場に腰掛け、ホテルで調達したクロワッサン他でランチ。
ラックプランの山小屋
右手にヴァルト針峰、ドリューを眺望
息を飲む絶景!!
グランドジュラス、シャモニ針峰、モンブランの山並み
眼前に広がる絶景を眺めながらのランチ、山登りの醍醐味である。果物も持ってくれば良かったと少し後悔する。
さて、そろそろ帰ろうかと重い腰を上げる。ラ・フレジュールまではダラダラとした長い下りが続く。下からはトレッカーが続々と登ってくるが、結構きつい登りだ(ランデックス経由の方が楽だ)。ラ・フレジュールから、レ・プラまでロープウェイで下れるが、シャモニに向かってさらに下って行く。歩き始めはシャリ道だが、途中から森の中に入って行く。要所々にシャモニの標識があり、余程の事がない限り道に迷う事はない。1時間程でフローリア小屋に到着。鮮やかな花々に囲まれた、ちょっとメルヘンチックな山小屋である。テラスからの展望はこれ又素晴らしく、赤いパラソルとドリュー、ヴェルト針峰の構図が実に素晴らしい。テラスに座り、レモネードを飲みながら小休止。30分程、体と心を休めた後、再びシャモニに向かって下り始める。川の畔に出て、川に沿って歩いて行くとシャモニ中心地に到着である。
フローリア小屋からの眺望も素晴らしい
広いテラスからモンブランが一望できる

宿泊したホテルは、テレキャビン駅の直ぐ脇にあるホテルLa Savoyarde
モンブラン山群を眺める絶好の場所であり、街外れにあり静かで居心地がとても良く、'12年にも宿泊した。ただし、高台に建っている事もありシャモニ中心地からの急坂は結構つらい点が少々ネックかな...

2014年9月11日木曜日

アレッチ氷河を巡る周回コースを歩く

1992.8.(水)
ベットマーアルプのシンボルの礼拝堂
後方の白い山はフレッチュホルン
ブリークからサンモリッツ方面行の電車で約20分のベッテン駅で下車する。駅構内にあるロープウェイで10分程でベットマーアルプに到着する。ベットマーアルプは、標高1950mの中腹に広がる静かなアルペン・リゾートである。山の中腹からは、ヴァリスの山々が谷間を挟んで一望できる。山の中腹に建つ建物の多くは、 長期滞在型の休暇用アパートとホテルが殆どである。 谷底からは車は登ってこれなく、足はロープウェイのみなので、村の中は非常に静かだ。



コース概要:
ベットマーグラート-~メリエレン湖(11:10 12:00)~メリエレン小屋(12:20)~キーボーデン(13:02 13:25)~ベットマーアルプ(14:50)
歩行時間:4時間15分






ベットマーホルン山頂駅の岩場にて
ツェルマット、サースフェーのようなメジャーな観光地ではないので、観光客もそんなに多くはなく、静かな山旅を楽しむ事ができる。 今回のコースは、ここベットマーアルプが出発点である。村の外れにあるゴンドラリフトで、約10分でベットマーグラート(2650m)に着く。
荒々しい氷河を間近で観ながら登山道を歩く
 ヨーロッパの山は、稜線まで一気に登る事ができるので非常に便利だ。 ベットマーグラートには丸型の展望台とレストランが併設されている。外に出て岩場を下っていくと、アレッチ氷河の全望が視界一杯に現れる。 氷河は大きく蛇行し流れ、奥はユングフラフ、メンヒへと繋がっている。真近で見ると、モレーン(堆石)がとても印象的だ。氷自体はくすんでおり、見た目はあまりきれいとは言えない。

アルプス最大のアレッチ氷河 奥の左手の山がメンヒ(4,107m)
メリエレン湖の岩場でランチ、湖畔はワタスゲの群落
右手の山は、オルメンホルン(3,314m)
氷河を見ながら平坦な岩場の道を1時間程歩くと、メリエレン湖まで25分と書いてある標識がある。右手の道を辿り、約25分で山上の湖メリエレン湖に着く。湖は真っ青な色をしており、とてもきれいだ。周囲の山も見栄えが良く、1枚の風景画のような世界が広がっている。岸辺に群落するワタスゲも、この風景に彩りを添えている。先を急がず、ランチを食べながら、しばらくこの静かな空間に浸っていこう。
フィッシャー氷河の奥に聳えるオーバーアールホルン(3,631m)
先へ進むと、直ぐに山小屋が見えてくる。近くには小さな池もある。 何人かの登山者が憩いでいる。しばらくは平坦な道が続き、右手のエッギスホルンの尾根を巻きながら、ゆるやかな山道を登っていくと、尾根のピークに出る。左手はフィーシュ氷河を遠望でき、とても見晴らしの良い場所である。
ここからは、左手に谷底を見ながら下りとなる。20分程で、ロープウェイ駅にあるキューボーデンに着く。 鉄道駅のあるフィーシュまで下る事もできる。
キューボーデンからは、広々とした放牧地を歩く。快適な道をしばらく歩くと、ホテル・ベットマーホルンが見えてくる。ベットマーアルプまでは、もうすぐだ。
桔梗の仲間?

2014年8月29日金曜日

シュトゥーバイタル谷の最高峰と氷河に迫る

2011.8.17(水)☀ シュトゥーバイタル谷の最深部へ
バイルヨッホ(▲2672m)からの
ツーカーシュートルとスルツェナウフェルナー氷河


インスブルックの南南西に位置するシュトゥーバイタル谷の中心地ノイスシュテフト(993m)が今回のベース。この地に宿を取り、シュトゥーバイタル谷の最高峰、ツッカーヒュートル(▲3507m)と、山腹に流れるスルツェナウ氷河の大迫力の眺望を楽しむ。


コース概要:
ムッターベルク谷駅-- トップオブ・チロル展望台--フェルナウ(10:10)~バイルヨッホ(11:10 12:00)~氷河湖(12:20)~スルツェナウヒュッテ(13:02 13:25)~スルツェナウアルム(14:05)~グラバアルム(14:50)
歩行時間:3時間30分(登り:1時間、下り:2時間30分)







トップオブ・チロル展望台からの眺望
ツッカーヒュートル、エッツタールや、ドロミテ山群が一望できる
ムッターベルク谷からゴンドラを2つ乗り換えてトップオブ・チロル展望台へ向かう。鉄の階段を登り、展望台へ出ると、オーストリア・アルプス、ドロミテの山々が一望できる
この橋を渡り、いよいよ登山開始
素晴らしい景色を堪能した後、中間駅のフェルナウ(2308m)に下り、ここからトレッキング開始。
左手の橋を渡り、ゆるやかな傾斜を登って行く。途中から傾斜がきついガレ場の登りとなるが、順調に高度をかせでいく。振り返るとムッターベルク谷が一望でき、周囲の山々も目の高さになってきた。標識の立つ鞍部に出て、左へ進むとスルツェナウヒュッテへ直接行けるが、右手の稜線を進んで行く。所々、ロープを
稜線からシュトゥーバイタル谷の山々を望む
張っているあるが、特に怖い所はない。ガレ場をさらに進み、たくさんのケルンが積まれた場所に到着、眼前に氷河が見えている。岩場をちょっと登るとバイルヨッホに到着。シュトゥーバイタル谷の主峰ツーカーシュートルから流れ落ちるスルツェナウ氷河の全容が眼前に迫り、その大迫力の眺めに圧倒される。正に息を飲む程の絶景とは、こういう景色を云うのだろう。氷河の末端には、小さな氷河湖が見える。


バイルヨッホからの眺め
右:ツーカーシュートル(3507m)、左:ヴィルダー・フライガー(3418m)

ちょっと早いが、ハム・チーズサンドイッチでのランチ。ツッカーヒュートルは「砂糖の帽子」と云う意味で、白い雪のピークがそれらしく見えるそうだが、可愛らしい名前を付けたものだ。50分程休んだ後、砂利道の急坂を下る。




モレーン上に群れるヤギ
ドイツ山岳協会のスルツェナウヒュッテ
峠で見下ろした氷河湖へ出ると、そこには長い毛のヤギが群れていた。草木はない所でもあり、一体何を食べているのだろう。岩塩?モレーン沿いに、氷河湖から流れ出た川沿いの下りを約40分でスルツェナウヒュッテに到着。
はるか下にスルツェナウアルム 
川に沿って走る登山道と小屋が良くわかる


ここからジグザクの急斜面を下って行く、彼方に小屋が見えている。小屋まで下ると、そこは広い平坦地で近くの岸壁からは2つの滝が流れている。川を2回渡ったりしながら、約50分でバス停のあるグラブアルムに到着する。

2014年8月16日土曜日

標高差1,000mの急坂を登りセッラ小屋へ

2009.8.11(火)
氷河後に出来た盆地に建つセッラ小屋(2,588m)
ベースとなる村は、アオスタから南へバスで約50分の所にあるグラン・パラディーソ山群のリゾート地コーニュ。明るく開放的な村で、窓に花が飾られた木造の家々がとても魅力的である。2回訪れているが、いずれもホテル確保できず、諦めアオスタに宿を取った。バカンスシーズンは殆どのホテルが満杯、しかも長期滞在者が多く、短期でホテルを確保するのは非常に難しい。
今回のコースは、グラン・パラディーソ山群を観ながら、標高差約1,000mを一気に登りセッラ小屋を目指す。

コース概要:

コーニュ(9:10)~ヴァルノンテ(9:45 9:52)~滝(10:32)~農家小屋(10:50 11:00)~セッラ小屋(12:20 13:30)~農家小屋(14:25)~ヴァルノンテ(15:05 15:10)~コーニュ(15:45)
歩行時間:4時間45分(登り:2時間35分、下り:2時間10分)

ヴァルノンテ村からの眺望
後方にグラン・パラディーソ山群の山々が聳える
牧歌的な登山道を歩き始める
アオスタ発8:05のバスでコーニュに8:55着、牧草地の奥に輝く白峰がとても奇麗だ。軽くストレッチした後、草原に沿った道を歩き始める。橋を渡り川沿いの道を歩き、約35分でヴァルノンテ村の集落に到着する。ここから眺めるグラン・パラディーソ山群の山々の眺望は素晴らしい(グラン・パラディーソ本峰は、この山の奥にあり、残念ながらその勇姿を見えない)。ここから本
橋の上のボーイスカウトのグループ
格的な登山が始まる、始めはなだらかな道が続くが、次第に傾斜がきつくなってくる。30分程で左手に滝が見え、さらに進むと橋に出る。森林樹林帯の中を登り詰めて行くと、石造りの小屋が現れる、ここで小休止。この辺りが森林限界で、ここから草原の気持ち良い道が続き、しばらく進むと谷間に流れる沢が見えてくる。沢に向かって下り、橋を渡ってから再び急坂が続く。

 
石造りの家屋群
谷間に流れる沢に架かる橋
最後のキツイ登りが続く(太腿に痛みが....)
上を見ると先を進む登山者等が黙々と登っている。「未だあんなに登るんだ」と思うと、ちょっと気力が萎えてくる。ジグザグな急坂をゆっくり登って行くと、太腿に今まで経験した事のない痛みが走り、少々やばい状態に。久し振りの本格的な登りで足に悲鳴がきたようである。立ち止り、太腿を揉み様子を見る。何とか大丈夫そうなので、気力を振り絞り再び登り始める。左手に観えるグラン・パラディーソ山群の白峰群の絶景を楽しむ余裕はもはやない。「あのピークの向こう側が小屋かな…」と思い、がんばって辿り着くが、道はさらに続いていてがっくり。こんな事を何度か繰り返し、ようやく小屋が見えてきたときは安堵感で一杯。
疲れを癒す可憐な高山植物

長屋2棟からなるカラフルなセッラ小屋
周囲を山に囲まれ広々とした谷間に立つセッラ小屋は、とてもカラフルで周囲の山々の中に一際目立つ。周辺は沢が流れる草原となっていて、大勢の登山者が食事を楽しんでいる。僕も、その中に座り、ランチタイム。太腿に痛みが走ったとき、本当に着く事ができるだろうかと不安が頭を過ったが、何とか頑張ってきて良かった。食後、大の字になって昼寝、山登りの醍醐味である。このままずっと寝転んでいたい気分であったが、重い腰を上げ登って来た道を下山する。

2014年8月14日木曜日

氷河の絶景を間近で眺めれれるピラット小屋へ

2012.7.9(月)
ピラット小屋への登りにて 出会った女性の登山者
ベースは周囲を鋭い岩峰群で囲まれた静かなラ・ベラルド村、何もない所だが一番のお気に入りの地で都合3回訪れている。フランス・アルプスの南に位置するせいもあり、晴天確率は非常に高いそうだ。今回は、ヴェニオン谷の最深部にあるピラット小屋を目指す


コース概要:
ラ・ベラルド(8:25)~カレル小屋(9:25 9:35)~橋(10:40 10:55)~雪渓(11:25)~ピラット小屋(12:10 13:25)~橋(14:15 14:20)~カレル小屋(15:15 15:50)~ラ・ベラルド(16:40)
歩行時間:5時間55分(登り:3時間20分、下り:2時間35分)

ホテルで朝食を済ませ、8:25出発。絶好の周りの岩峰に遮られ、日は未だ差し込まず少々肌寒い。村に一軒あるだけのお店で、ランチ用のパン、飲み物を調達する。


広々とした草原の中にあるカレル小屋
後方の大岩山峰はエル・フロワド(ちょっと逆光気味)
ヴェニオン川沿いの平坦な道を1時間で、前方にカレル小屋が見えてくる。広々とした草原の先に見える大きな山はエル・フロワド(▲3848m)、ちょっと逆光気味であるが、凄い岩の壁で圧倒される。ここから森の中を進んで行くと、テンプル・エクラン小屋との分岐点に出る。森を抜け、川に沿って谷奥へ続くゆるやかな登り道を歩いていく。
ヴェニオン谷奥に聳えるピラット氷河

ヴェニオン川奥にはピラット氷河が見え、素晴らしい景色に期待で胸が膨らんでくる。徐々に高度を上げて行き、岩がゴロゴロした場所を歩いていくと「Refuse 1H」の標識を見つける。ここで上の岩場の方に向かってしまったのが大失敗、道を間違えてしまい、ウロウロするはめに。「やばい」と思い元の場所に引き返す。注意して見ると、前方にケルンが見え、その先に橋が架かっている。大きな岩が邪魔して、橋が見えなかったのだ。どうやらケルンが目印だが、知らない内に疲れ注意散漫になり見落としてしまったようだ。川を渡った対岸には、登山道が走っており一安心。
ピラット山とレ・バン 
秀麗なLes Bans(レ・バン)全容

雪渓をトラバース
ここからはジグザグの急坂となり、登りはかなりきつくなる。息を喘ぎながら、ジグザグの急坂をゆっくり登って行く。雪渓も何カ所もあり、滑らない様注意しながら横断する。


歩いて来た道を振り返る、エルフロワド、テンプルエクラン?

ピラット小屋へ登り、絶景の中を歩く
周辺の山々の景色が凄い、鋭い岩峰と雪を抱いた山々、息を飲む程の絶景が広がる。長く辛い急坂が続き、バテそうになったとき、岩山の上にポールが立っている石の土塁が見えてきた。どうやらあそこが頂上、あと少しだと気を奮い立たせられる。ガレ場を登り切り、ようやくピラット小屋(2577m)にたどり着く。約1時間の急坂はかなりきつく、岩場に座り一息付いたときはホッとした。しばらく息を整えた後、景色を眺望する余裕が出てきた。


ようやくピラット小屋が見えて来た

テラスで寛ぐ登山者とピラット氷河
目の前の雄大なピラット氷河と周囲を囲む3,000m級の山々、頂上を極めた者のみが味わえる絶景である。
氷河は蛇行しながら下流へ流れているが、ヴェニオン川の源流となっているのだろう。テラスのベンチに座り、ランチを広げる。やっぱり山の上で食べる食事はとても旨い。食事をしながら、絶景を眺める、この時間がいつも楽しみである。小屋で注文したサラダは、レタスにドレッシングをかけただけのシンプルな物、酸っぱ過ぎてとても食えた代物ではない。殆ど残してしまった。1時間強、絶景を楽しんだ後、下山。下りは足、膝にきてしまい、カレル小屋までの道程は相当しんどかった。30分程、草原に寝転んで昼寝を楽しみ、ラ・ベラルドへの道を下っていく。