2014年2月10日月曜日

ツィラタール谷奥の山上の湖シュバルツゼーへ

2001.8.14(火) ツィラタール谷を歩く
 シュバルツゼーに投影するツィラタール・アルプス
今回のトレッキングのベースは、マイアーホーフェン(Myrhofen)
イェンバッファ駅からツィラタール鉄道で約1時間の所にある ツィラタール谷の中心の街である。夏には日に何本か昔懐かしいSLが走る。街は開けた明るい谷の中にあり、ここをベースにしていくつものハイキングを楽しむ事ができる。 今回のコースは、ツィラタール・アルプスの山懐に入ったシュバルツ湖へのコースである。 駅前から少し歩いたヨーロッパ・ハウス内にあるインフォーメーションで、マップ、バスの時刻表を 得ることができる。

コース概略:
マイアーホフェン(7:55)----ブライトナー(8:30)~アルペンローゼヒュッテ(10:30 10:35)~ベルリーナヒュッテ(10:55 11:10)~シュヴァルツゼー(12:15 13:30)~アルペンローゼヒュッテ(14:35)~ブライトナー(16:30 16:55)----マイアーホフェン(17:30)

歩行時間:6時間45分




トレッキングの始点のブライトラーナ(1256m)には、駅前のバス停から出ているダム行きのバスに乗っていく。 谷の奥にあるいくつかの村と2つのトンネルを超え、30分程でブライトラーナのバス停に着く。バスの乗客の多くは、この先にあるダムまで行くのか下車したのは僕を含め3,4人だけであった。 
深い谷間で、朝が早いためか日が差してなくかなり寒い。近くにはガストホフがある。生垣を超え、 少し登った後、川に沿った平坦な道が続き快適なペースで歩が進む。徐々に日が差してきて 体も暖ったかくなってきた。クラウセンアルム小屋を通過し、左手の斜面を登っていくと グラヴェントゥヒュッテに到着。
 アルペンローゼヒュッテ
左手の斜面を登リ切ると牧場に出る。右手の大岸壁には雄大な 滝が見える。後ろを振り返ると、歩いてきた谷を一望できる。
ここから道は平坦になり、ツェムバッハ川に沿って歩いて行く。正面に氷河を頂いた山が見えてきた。 30分程で、左手に木造りのアルペンローゼヒュッテ(1873m)に到着した。
川には橋が架かり、右手にも道が続いている。ベルリーナヒュッテには左手のジグザグ道を登っていく。
写真で観て、大いに気に入った景色
ベルリーナヒュッテ
曲がりくねった登山道を息を切らせ登り約20分で石造りの見栄えの良いベルリーナヒュッテ (2042m)に到着した。この風景に心引かれこの地を訪れたが、期待に違わないすばらしい景色だ。
このヒュッテは、1879年にドイツとオーストリア山岳協会によって創設されたと云う。概観も立派な 建物である。
少し休憩した後、再び登りに入る。石が敷き詰めてある急な道を登りきると、平坦な道になる。 シュヴァルツェンシュタイン・アルムの草付きの山腹を巻きながら登っていく。 左手にはホルン氷河の雄大なU字谷が開けている。
登りは段々きつくなり完璧にバテてしまい、途中の草叢に大の字になって休息する。 そんなに距離はないと高を括っていたが思いの外、距離はある。 これ以上登れるかと不安がよぎったが、ふと上を見るとケルンが見えた。
シュバルゼーへの登り道にて
「ああ、あそこが頂上か」と元気になり、疲れた体に鞭打ち再び登り始める。 斜面から流れる沢を渡り、最後にジグザグな道をがんばって登り切ると、 待望のシュヴァルツ湖に到着した。
シュバルツゼーにて

湖は周囲を岩山に囲まれ静かに佇んでいる。
何組かの登山者がランチを食べながら憩いでいる。僕も近くの岩場に座りランチタイムだ。小さな女の子が岩場で遊んでいる、こんな小さな子も登ってくるんだと驚きである。
思った程大きな湖ではない。後方には、ツィラタール・アルプスの雄大な景色が展望でき、 この景色を見ながらゆっくりとした時間を過ごす。湖畔の残雪を踏みしめながら対岸に歩いていくと、 絵のような風景に出会う。
シュバルツゼーからの展望
主峰グローサー・メーゼラーとヴァクセック氷河
ツィラタール・アルプスの主峰グラーサーメーゼラーら3000m級の山々が眼前に広がり、 湖面には氷河を抱いた山々の姿が見事に写しだされている。息を飲む美しさだ。 残念ながら、湖は一周できず途中で道が途絶えている。
心往くまでこのすばらしい景色を堪能した後、下りに入る。

下りは、登ってきたルートを引き返す。ベルリーナヒュッテまでは、かなりの急な道で 足に負担が結構くる。グラヴェントゥヒュッテでコーラを頼み、しばしの休息を取り、 ブライトラーナには16:30に到着した。 バスは16:55発であり、まだ少し余裕がある。
バスを待つのは、僕と男性の登山者のみで、バスの時間を聞かれたのをきっかけに、少しお話をする。 彼は4日間山に入っていたと云う。地図を開げ、歩いてきたルートを教えてくれた。 日本人が、この地域にくるのは珍しいと云う。大抵の日本人は、モンブラン、スイス方面へ行くもの と見られているようだ。 バスは時間通り到着した。
今日はかなりバテたが、心地良い疲れである。機会があれば再訪したい谷である。

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