2025年3月19日水曜日

セアリーターンズ~フッカー谷を歩く

2007/4/30(火)

セアリーターンズとセルトン山

ハーミテージからキーポイントへ進む。しばらくすると気持ち良い木道に変わり、フッカー谷奥に聳えるMt.クックが見えてくる。谷奥でそそり立つ威容は他の山々より遥かに高く際立っている。気持ちよい散歩道を40分程でフッカー谷との分岐点に出る。目指すセアリーターンズは左の登山道を登って行く。かなりの急坂で少々息が切れる。正面の雪山はMt.Seltonだろうか。後ろを振り返ると、広大なフッカー谷とそれを囲む山々、その中にポツンと建つハーミテージが見える。




Mt.クックが徐々に大きく見えてきたが、逆光で写真に不向きである。1時間20分でセアリーターンズに到着。手前に大きな池があり、後方にMt.Selton(セフトン山)。鏡のように澄んだ池にセフトン山が投影される、疲れが吹っ飛ぶ程の美しさである。さらに登るとミューラー小屋、ちょっと食指が湧いたが予定通りフッカー谷へ行く事に。しばらく絶景を楽しんだ後、元の道を下る。

フッカ谷の道は殆ど平坦でハイキング気分で歩ける。2つの吊り橋を通り、フッカー湖には1時間半程で到着。氷河が溶けた湖の色は灰色で美しさはないが、静かで心休む場所である。20分程、素晴らしい景観を堪能した後、元の道を戻る。

補足)Tarns(地糖)で、セアリーターンズはセアリー地糖となる

現在は2200段の階段が設置されている。ハイカーでも登れるように整備されたようだが却って歩きにくいのでは...





2025年3月13日木曜日

雷雨の中、ずぶ濡れになりながらの下山

コバルトブルーのモアレー湖

シュールから南に入り込んだ谷がアニヴィエの谷の村。谷奥には東にチナール、西にグリメンツの村がある。シュールからはバスで、途中ヴィソワで乗り換え約
1時間の距離だ。ヴァレー州特有の木造りの建物の窓には、色とりどりの花々が飾られ、絵のような美しさだ。グリメンツから*ポストバスで山奥にあるモアレー湖ダムまで上がり、ここを起点に、モアレー氷河を間近に見るコースを歩く。
*現在はロープウェイが併設され、あっという間にダムまで上がる事ができる
 
花の美しい村グリメンツ


2000/8/17(土)
 
コース概略:
 
 
モアレー湖のアーチ式ダム

ポストバスでモアレー湖へ向かう。ダムのある湖畔で下車。アーチ式ダムを横断し、緩やかな湖畔沿いの道を進む。1時間程で湖端に出て、しばらく進むと橋がある。ここで道は2つに分かれるが、殆どの人が左手の道を取ったのでその後に従う。正面の白い山々を見ながら、ゆるやかな道を登っていくとシャトープレ湖に到着。ここまで車が入れるようだ。ここでランチタイム。
湖畔沿いの道を歩く
モアレー氷河
この付近で引き返す
ハンブルクから来た親子
この人の車でグリメンツまで帰る

さて、ここからどうしよう。上を見ると小屋が見えたので、あそこまで登ろうと決める。今までと違い、剥き出しの岩がゴロゴロした登山道で、しかも傾斜も急で息が切れる。上空に嫌な雲が広がってきた。これは一雨来るかもしれない。反対側の山の方で突然ピカー、ドカーンと大きな音が響き渡る。雷が山に落ちる瞬間を目撃、ど迫力の自然の脅威を目の当たりにする。これはやばそうだと、モアレー小屋まで上がるのを諦め氷河手前で引き返す。ちょうど親子連れが降りて来て、その後を追いかけるように下る。雷鳴が轟き、反対側の山で突然ピカー、ドカーンと大きな音が響き渡る。雷が山に落ちる瞬間、ど迫力の自然の脅威を目の当たりにする。雷雲がこっちに近づいてくるとやばいので急いで下る。風が吹き出し、いきなり雹混じりの豪雨。風雨により下半身がびしょ濡れ状態で、何とかバス停まで下山する。バスを待っていると、下山時に出会った親子の車が停まり、下まで乗せてくれる事になった。ハンブルクからの旅行者で母親、息子、娘の4人連れ。ホテルまで降ろしてもらい、別れる。親切な人達で本当に助かった。





2024年9月25日水曜日

川沿いの道を辿って谷のハイライトめがね橋へ~ヴェルザスカ谷

めがね橋

2007/8/14(
火)☁
ロカルノからバスでヴェルザスカ谷最奥ソノーニョ村がトレッキングの起点となる。今回のコースは、ヴェルザスカ川沿いの道を下り、魅力的な村々に立ち寄りながらコース最大のハイライト「めがね橋」までのハイキングを楽しむ。
コース概略:
ソノーニョ(10:17)~フロダの滝(10:46)~分岐(11:20)~フレスコ(12:25 12:35)~ブリオネ(14:05)~ラヴェルパッティオ(16:52)

コースタイム:5時間20


9:05ロカルノ発のバスで約1時間、ソノーニョ村に到着。イギリスの田舎の村を彷彿する石造りの可愛い家々がとても魅力的。村内を抜けフロダの滝を見てからハイキングスタート。曇り空でもあり何となく憂鬱な気分の中、川沿いの遊歩道を下って行く、歩いている人は誰もいないが黄色い標識があるので迷う心配はない。
ソノーニョ村入り口

しばらくすると、左手にフレスコ村の教会が見えてきた。対岸に渡る橋を渡り村に立ち寄る。元の道に戻り、さらに下って行く。所々に水場があり、乾いた喉を潤してくれる。単調な下りがずっと続き、少々飽きてくる。石造りの素朴な集落(ブリオネ村、ガンネ村、モタ村)を横手に見ながら、さらに下る。このコース最大の見所の「めがね橋」に到着。均整の取れた石造りで実に見事な橋である。
石の感触を味わいながら橋の上に立つ。川の水は例えようがないくらい澄んだエメラルド色で、思わず吸い込まれそうになる。ヴェルザスカ川の激流で浸食された石灰岩の造形美も見事である。ハイキング道はコリッポ村まで続いているが、標識を見ると1時間半、どうしようか迷ったが疲れたのでここで終了。バスに乗り谷を後にする







2024年5月30日木曜日

2年越しのリラ7湖へ


絶景のビューポイントからの眺望


2017/7/11(日)

ベースはサヴァレタバーニャ、村の中心には間欠泉が吹き出す温泉地。観光地ではないが、田舎の原風景が広がる素朴な村である。ここを起点に、7つの氷河湖を周回する人気のコースを歩く。2年前は悪天候で中止、今回はそのリベンジである。スタート地点のリフト乗り場のあるパネチシテまでは、ゲストハウス(ダリヤハウス)の車に便乗させてもらった。
コース概略:
リフト乗り場(8:40)------リラ・ハット(9:10)~Babreka湖(9:55 10:06)~オコト湖(10:20 10:28)~ピーク(10:40 11:06)~Trilisnika湖(11:45)~Ribnoto湖(12:02 12:05)~リラ・ハット(12:40)
コースタイム:2時間20分

リフトに乗り登山口のあるリラハットへ


ダリヤハウスの車に同乗し、リフト乗り場には25分で到着。往復チケットを買い、リフトに乗りトレッキングのスタート地点に向かう。澄んだ空気が心地良く、緑豊かな自然を目にし期待が高まる。下を見ると一台のジープが山の上に登って行く。かなりの悪路を走り小屋までいくようだ。リフトに揺られ、約25分でリラハットに到着。右回りと左回りのコースがあり、殆どのトレッカーは右回り、その後を追いながらトレッキングスタート。2年前は悪天候で残念したが今日は快晴、絶好の登山日和で期待に胸膨らませ広々とした斜面を登り始める。トレイルは良く整備され、標識もあるので迷う心配はない。30分程で展望台の標識があるが、そのまま進む。ここから気持ちよい広い草原のコースで左下には湖が見える。ほぼ平坦な道を進み、1番目のBabreka湖に着く。群青色の大きな湖で、腎臓の形に似ている所から「腎臓の湖」と名付けられている。

Babreka湖を過ぎるとジグザグの急坂になる


展望台のあるピークからリラ7湖を俯瞰する


ここから急登となりオコト湖を過ぎ、ケルンのあるピークに到着。ここからの眺めは素晴らしく、感動ものである。緑の草原に走る登山道に沿って連なる4つの湖がぽっかりと台地の上に浮かんでいるかのようだ。リラ7湖を紹介する写真はここから撮ったもののようだ。しばし、この絶景に浸っていこう。奥にもう1つの湖があり、登山道が続いている。未だ時間もあるので先へ行くか迷ったが、旅の疲れが溜まったのか体が重いので無理をせず下山する事に。ピークから展望した4つの湖を通り、リラハットには12:40帰着。リフトに乗り登山口に戻る。

オコト湖

この先に最後の湖があったが、疲れたので引き返す


2年目の雪辱を果たし、圧巻の展望を目にする事ができ満足のいくトレッキングであった。









2024年5月20日月曜日

ピリン山脈最高峰のヴィフレン山へ

ヴィフレン山 山頂

2017/7/15(
土)

 ベースはピリン山脈の麓の街バンスコ、標高は925mでソフィアの南西部に位置しバスで3時間で到着する。冬はスキー、夏はトレッキングで賑わいを見せている。通りからは教会を前にヴィフレン山の勇姿を遠望できる。古い家並みや道も残り、街のそぞろ歩きも楽しむ事ができる。ここを起点に、ピリン山脈の最高峰ヴィフレン山に登る。登山口まではマイクロバスで30分、バスは駅前と街の南端に停車、宿泊したホテルの傍に停まるので都合がよかった。

早朝のバンスコ

コース概略:

ヴィフレン小屋(9:08)~草地(9:40)~稜線(10:42)~ヴィフレン山(11:32 12:03)~稜線(12:36)~ヴィフレン小屋(12:35)コースタイム:4時間15分(登り:2時間40分、下り:1時間35)


眼下にヴィフレン小屋と大きな山塊

ホテル近くで停車するマイクロバスに乗り込み、ヴィフレン小屋へ


ガレ場からピリン山脈を眺望


8:30のマイクロバスで標高1940mのヴィフレン小屋に到着、マイカーでやってきた登山客で結構賑わっている。正面には、どっしりとしたヴィフレン山が迫ってくる。ちょっと立山の雄山を彷彿させる。登山口からガレ場の急登が始まる、振り返るとヴィフレン小屋、ピリン山群の山々が見えてきて大興奮である。しばらくすると道は二手に分かれ、真っ直ぐ進むと北東壁をトラバースするルート、左手がヴィフレン山に直登する一般ルートとなる。マイクロバスで一緒だったペアは前者のルートへ進んで行った。

登山口から目指すヴィフレンが正面に見える

僕は安全な一般ルートを登って行く。ガレ場から気持ちよい草地を抜けるとカール地形に入る。カールを巻きながら急登を登り詰め稜線に到着。反対側の山々も姿を現し、谷底には湖を見える。ここから広い岩稜を登り40分程で、ヴィフレン山に登頂。大勢のトレッカーで大賑わいで、歌を歌い踊り始めている人達もいる。山頂の標柱はなく、石を詰め込んだオブジェ(ネパール風)が設置されている。ピリン山脈は太古の昔は海の底で、珊瑚などの死骸が積もり石灰岩の層ができマグマの地熱で大理石に変化し、それを氷河が削り鋭利な屋根や深い谷、多くの湖が形成されてできたという。自然の力には驚きである。

鞍部から頂上への登り

稜線の反対側に見えた湖

あまりお腹がすかず、30分程休憩後下山する。北側を回るルートを下山するか迷ったが、安全パイをとって同じルートを引き返す事にする。小屋上の岩場で周囲の景色をぼんやり眺めていると、急に雨が降って来てあわてて小屋へ避難する。通り雨で2,30分程で止む。14:50のバスでバンスコへ戻る。ムサラ、マリュヴィッツア、リラ7湖、そしてヴィフレン、これでブルガリアの4つの主峰完全制覇。

 



2023年10月11日水曜日

ベルトーネ小屋を超えフェレ谷へ

2012.7.17(火)

ラーゴ・シュクレイに行く予定だったが、ロープウェイが動いてなく予定変更、明日登る予定のベルコーネ小屋へ向かう。時間ロスし、いつもより遅い9:40からトレッキング開始。
コース概略:

ベルトーネ小屋 三角形の山はモン・チェテフ(これ少々ジャマ)


教会裏から車道を20分程登るとヴィレールに出る。駐車場を過ぎると「TMB」の標識があり、ここから登山道に入って行く。明るい樹林帯を登って行く、振り返ると眼下にクールマイユールの家並みが広がる。登山道は良く整備されているが、急坂に加え体も重く結構しんどい。見晴らしの良い所で10分休んでいく。左手にモンブラン山群の勇姿を見ながら、ジグザグの急坂を登り詰め1時間強でベルトーネ小屋に到着。小屋の前のベンチには大勢のトレッカーが周りの景色を見ながら寛いでいる。小屋の直ぐ上に見晴らしの良い草原の丘があり、ここでフォカッチャとファンタでランチ。ハエが煩くまとわりつき、どうにも我慢できず腰を上げる。殆どの人はTMBコースを辿り尾根道を登って行くが、僕は31番ルートに従い山腹を巻き進む。谷を隔てモンブラン山群をずっと眺める快適なコースである。グランド・ジェラスが雲で頂上が隠れているのが残念である。
クールマイユールの街を見下ろす
モンブラン氷河とモンブラン

ボナテッリ小屋との分岐に出る、小屋までは1時間30分とある。左の道をフェレ谷に下り橋を渡りMayencelに着。さらに15分歩き、プランパンシュー村に到着。ここからバスに乗り、クールマイユールに帰る。
草原の頂きからのモンブラン
フェレ谷



2022年12月13日火曜日

快適な稜線歩きを楽しみながら大カスプロヴィ山へ

Plelcz峠への登り

2016/9/2(
木)

コース概略:
クジニツェ(9:52)Kalatowki小屋(10:20 10:28)Kontratowa小屋(10:58 11:10)Plelcz(12:23 12:42)~大カスプロヴィ山(14:08) ------- クジニツェ
コースタイム:2時間50







9:27
発のミニバスでクジニツェへ、案の定ロープウェイは長蛇の列。とても並ぶ気にならない。
公園入り口にはゲートがあり、入山料5zlを払って中に入る。入山料を払わず素通りする女性もいる、チケット買っていた女性はあきれ顔である。こういう人どこにもいますね。ゆるやかな登りを30分でKalatowki小屋に到着。さらに30分で明るく開けた草原が広がるKontratowa小屋に着く。分岐点で右は青、左は緑のコースとなっている。殆どの人達は右手の道を登って行く。どっちに行こうか迷ったが、緑のコースを進む事に。つきず離れず歩いていた女性も緑のコース、この女性すこぶる足が早い。ゆるやかな登りから、徐々に勾配がきつくなり足取りも重くなる。2回休憩を挟み12時過ぎ、稜線に出る。やれやれである、昨日の登山の疲れが残っていたのだろうか。
Plelcz峠

スロヴァキア側の山

山頂が見えてきた
目出す大カスプロヴィ山が稜線が先に見える。反対側の稜線から続々と登山者が下ってくるが、Kontratowa小屋分岐で青のコースを登った人達かと思う。あっちのコースの方が変化があって面白かったかも...。朝買って来たパンで昼食を食し、大カスプロヴィ山に向かって歩き出す。快適な稜線歩きで、ピークの山はトラバースしていくので楽チンだ。右手の谷はスロヴァキア側で、奥にはスロヴァキア側のタトリ連山が見える。あっちの方が荒々しく男性的である。前方にロープウェイ駅が見え、最後の登りを登り切り頂上に到着。何かすごく疲れてしまった。クジニツェまでは2時間だが、かなり疲れてしまったのでロープウェイで下る事にする。このコースは荒々しさはなくゆったりとした山容でちょっと物足りなかった。