2014年8月29日金曜日

シュトゥーバイタル谷の最高峰と氷河に迫る

2011.8.17(水)☀ シュトゥーバイタル谷の最深部へ
バイルヨッホ(▲2672m)からの
ツーカーシュートルとスルツェナウフェルナー氷河


インスブルックの南南西に位置するシュトゥーバイタル谷の中心地ノイスシュテフト(993m)が今回のベース。この地に宿を取り、シュトゥーバイタル谷の最高峰、ツッカーヒュートル(▲3507m)と、山腹に流れるスルツェナウ氷河の大迫力の眺望を楽しむ。


コース概要:
ムッターベルク谷駅-- トップオブ・チロル展望台--フェルナウ(10:10)~バイルヨッホ(11:10 12:00)~氷河湖(12:20)~スルツェナウヒュッテ(13:02 13:25)~スルツェナウアルム(14:05)~グラバアルム(14:50)
歩行時間:3時間30分(登り:1時間、下り:2時間30分)







トップオブ・チロル展望台からの眺望
ツッカーヒュートル、エッツタールや、ドロミテ山群が一望できる
ムッターベルク谷からゴンドラを2つ乗り換えてトップオブ・チロル展望台へ向かう。鉄の階段を登り、展望台へ出ると、オーストリア・アルプス、ドロミテの山々が一望できる
この橋を渡り、いよいよ登山開始
素晴らしい景色を堪能した後、中間駅のフェルナウ(2308m)に下り、ここからトレッキング開始。
左手の橋を渡り、ゆるやかな傾斜を登って行く。途中から傾斜がきついガレ場の登りとなるが、順調に高度をかせでいく。振り返るとムッターベルク谷が一望でき、周囲の山々も目の高さになってきた。標識の立つ鞍部に出て、左へ進むとスルツェナウヒュッテへ直接行けるが、右手の稜線を進んで行く。所々、ロープを
稜線からシュトゥーバイタル谷の山々を望む
張っているあるが、特に怖い所はない。ガレ場をさらに進み、たくさんのケルンが積まれた場所に到着、眼前に氷河が見えている。岩場をちょっと登るとバイルヨッホに到着。シュトゥーバイタル谷の主峰ツーカーシュートルから流れ落ちるスルツェナウ氷河の全容が眼前に迫り、その大迫力の眺めに圧倒される。正に息を飲む程の絶景とは、こういう景色を云うのだろう。氷河の末端には、小さな氷河湖が見える。


バイルヨッホからの眺め
右:ツーカーシュートル(3507m)、左:ヴィルダー・フライガー(3418m)

ちょっと早いが、ハム・チーズサンドイッチでのランチ。ツッカーヒュートルは「砂糖の帽子」と云う意味で、白い雪のピークがそれらしく見えるそうだが、可愛らしい名前を付けたものだ。50分程休んだ後、砂利道の急坂を下る。




モレーン上に群れるヤギ
ドイツ山岳協会のスルツェナウヒュッテ
峠で見下ろした氷河湖へ出ると、そこには長い毛のヤギが群れていた。草木はない所でもあり、一体何を食べているのだろう。岩塩?モレーン沿いに、氷河湖から流れ出た川沿いの下りを約40分でスルツェナウヒュッテに到着。
はるか下にスルツェナウアルム 
川に沿って走る登山道と小屋が良くわかる


ここからジグザクの急斜面を下って行く、彼方に小屋が見えている。小屋まで下ると、そこは広い平坦地で近くの岸壁からは2つの滝が流れている。川を2回渡ったりしながら、約50分でバス停のあるグラブアルムに到着する。

2014年8月16日土曜日

標高差1,000mの急坂を登りセッラ小屋へ

2009.8.11(火)
氷河後に出来た盆地に建つセッラ小屋(2,588m)
ベースとなる村は、アオスタから南へバスで約50分の所にあるグラン・パラディーソ山群のリゾート地コーニュ。明るく開放的な村で、窓に花が飾られた木造の家々がとても魅力的である。2回訪れているが、いずれもホテル確保できず、諦めアオスタに宿を取った。バカンスシーズンは殆どのホテルが満杯、しかも長期滞在者が多く、短期でホテルを確保するのは非常に難しい。
今回のコースは、グラン・パラディーソ山群を観ながら、標高差約1,000mを一気に登りセッラ小屋を目指す。

コース概要:

コーニュ(9:10)~ヴァルノンテ(9:45 9:52)~滝(10:32)~農家小屋(10:50 11:00)~セッラ小屋(12:20 13:30)~農家小屋(14:25)~ヴァルノンテ(15:05 15:10)~コーニュ(15:45)
歩行時間:4時間45分(登り:2時間35分、下り:2時間10分)

ヴァルノンテ村からの眺望
後方にグラン・パラディーソ山群の山々が聳える
牧歌的な登山道を歩き始める
アオスタ発8:05のバスでコーニュに8:55着、牧草地の奥に輝く白峰がとても奇麗だ。軽くストレッチした後、草原に沿った道を歩き始める。橋を渡り川沿いの道を歩き、約35分でヴァルノンテ村の集落に到着する。ここから眺めるグラン・パラディーソ山群の山々の眺望は素晴らしい(グラン・パラディーソ本峰は、この山の奥にあり、残念ながらその勇姿を見えない)。ここから本
橋の上のボーイスカウトのグループ
格的な登山が始まる、始めはなだらかな道が続くが、次第に傾斜がきつくなってくる。30分程で左手に滝が見え、さらに進むと橋に出る。森林樹林帯の中を登り詰めて行くと、石造りの小屋が現れる、ここで小休止。この辺りが森林限界で、ここから草原の気持ち良い道が続き、しばらく進むと谷間に流れる沢が見えてくる。沢に向かって下り、橋を渡ってから再び急坂が続く。

 
石造りの家屋群
谷間に流れる沢に架かる橋
最後のキツイ登りが続く(太腿に痛みが....)
上を見ると先を進む登山者等が黙々と登っている。「未だあんなに登るんだ」と思うと、ちょっと気力が萎えてくる。ジグザグな急坂をゆっくり登って行くと、太腿に今まで経験した事のない痛みが走り、少々やばい状態に。久し振りの本格的な登りで足に悲鳴がきたようである。立ち止り、太腿を揉み様子を見る。何とか大丈夫そうなので、気力を振り絞り再び登り始める。左手に観えるグラン・パラディーソ山群の白峰群の絶景を楽しむ余裕はもはやない。「あのピークの向こう側が小屋かな…」と思い、がんばって辿り着くが、道はさらに続いていてがっくり。こんな事を何度か繰り返し、ようやく小屋が見えてきたときは安堵感で一杯。
疲れを癒す可憐な高山植物

長屋2棟からなるカラフルなセッラ小屋
周囲を山に囲まれ広々とした谷間に立つセッラ小屋は、とてもカラフルで周囲の山々の中に一際目立つ。周辺は沢が流れる草原となっていて、大勢の登山者が食事を楽しんでいる。僕も、その中に座り、ランチタイム。太腿に痛みが走ったとき、本当に着く事ができるだろうかと不安が頭を過ったが、何とか頑張ってきて良かった。食後、大の字になって昼寝、山登りの醍醐味である。このままずっと寝転んでいたい気分であったが、重い腰を上げ登って来た道を下山する。

2014年8月14日木曜日

氷河の絶景を間近で眺めれれるピラット小屋へ

2012.7.9(月)
ピラット小屋への登りにて 出会った女性の登山者
ベースは周囲を鋭い岩峰群で囲まれた静かなラ・ベラルド村、何もない所だが一番のお気に入りの地で都合3回訪れている。フランス・アルプスの南に位置するせいもあり、晴天確率は非常に高いそうだ。今回は、ヴェニオン谷の最深部にあるピラット小屋を目指す


コース概要:
ラ・ベラルド(8:25)~カレル小屋(9:25 9:35)~橋(10:40 10:55)~雪渓(11:25)~ピラット小屋(12:10 13:25)~橋(14:15 14:20)~カレル小屋(15:15 15:50)~ラ・ベラルド(16:40)
歩行時間:5時間55分(登り:3時間20分、下り:2時間35分)

ホテルで朝食を済ませ、8:25出発。絶好の周りの岩峰に遮られ、日は未だ差し込まず少々肌寒い。村に一軒あるだけのお店で、ランチ用のパン、飲み物を調達する。


広々とした草原の中にあるカレル小屋
後方の大岩山峰はエル・フロワド(ちょっと逆光気味)
ヴェニオン川沿いの平坦な道を1時間で、前方にカレル小屋が見えてくる。広々とした草原の先に見える大きな山はエル・フロワド(▲3848m)、ちょっと逆光気味であるが、凄い岩の壁で圧倒される。ここから森の中を進んで行くと、テンプル・エクラン小屋との分岐点に出る。森を抜け、川に沿って谷奥へ続くゆるやかな登り道を歩いていく。
ヴェニオン谷奥に聳えるピラット氷河

ヴェニオン川奥にはピラット氷河が見え、素晴らしい景色に期待で胸が膨らんでくる。徐々に高度を上げて行き、岩がゴロゴロした場所を歩いていくと「Refuse 1H」の標識を見つける。ここで上の岩場の方に向かってしまったのが大失敗、道を間違えてしまい、ウロウロするはめに。「やばい」と思い元の場所に引き返す。注意して見ると、前方にケルンが見え、その先に橋が架かっている。大きな岩が邪魔して、橋が見えなかったのだ。どうやらケルンが目印だが、知らない内に疲れ注意散漫になり見落としてしまったようだ。川を渡った対岸には、登山道が走っており一安心。
ピラット山とレ・バン 
秀麗なLes Bans(レ・バン)全容

雪渓をトラバース
ここからはジグザグの急坂となり、登りはかなりきつくなる。息を喘ぎながら、ジグザグの急坂をゆっくり登って行く。雪渓も何カ所もあり、滑らない様注意しながら横断する。


歩いて来た道を振り返る、エルフロワド、テンプルエクラン?

ピラット小屋へ登り、絶景の中を歩く
周辺の山々の景色が凄い、鋭い岩峰と雪を抱いた山々、息を飲む程の絶景が広がる。長く辛い急坂が続き、バテそうになったとき、岩山の上にポールが立っている石の土塁が見えてきた。どうやらあそこが頂上、あと少しだと気を奮い立たせられる。ガレ場を登り切り、ようやくピラット小屋(2577m)にたどり着く。約1時間の急坂はかなりきつく、岩場に座り一息付いたときはホッとした。しばらく息を整えた後、景色を眺望する余裕が出てきた。


ようやくピラット小屋が見えて来た

テラスで寛ぐ登山者とピラット氷河
目の前の雄大なピラット氷河と周囲を囲む3,000m級の山々、頂上を極めた者のみが味わえる絶景である。
氷河は蛇行しながら下流へ流れているが、ヴェニオン川の源流となっているのだろう。テラスのベンチに座り、ランチを広げる。やっぱり山の上で食べる食事はとても旨い。食事をしながら、絶景を眺める、この時間がいつも楽しみである。小屋で注文したサラダは、レタスにドレッシングをかけただけのシンプルな物、酸っぱ過ぎてとても食えた代物ではない。殆ど残してしまった。1時間強、絶景を楽しんだ後、下山。下りは足、膝にきてしまい、カレル小屋までの道程は相当しんどかった。30分程、草原に寝転んで昼寝を楽しみ、ラ・ベラルドへの道を下っていく。

2014年8月8日金曜日

フランス・ピレネー最高峰ヴィニュマールを望むウレット小屋へ



2005.8.15(月)
登山道からの感動ものの風景
フランスとスペインの国境沿いに広がるピレネー山脈は、3,000m級の山々と豊かな自然が育む魅力的な地である。ベースとなる街は聖地ルルドからバスで約1時間のコトゥレ、山間の街ではあるがホテル、レストランや、レジャー設備も揃った明るく華やいだ大きな街である。今回はここを基点に、フランス・ピレネー最高峰ビュニワマール山の絶景を観に出かける。コトゥレから、バスで約30分のポン・ディスパーニョ(スペイン橋)から、トレッキングをスタートする。
コース概略:
ポン・ディスパーニョ(8:35)~ゴーブ湖(9:30)~滝(10:25)~ウレット小屋(11:15 12:30)~ゴーブ湖(13:40 13:55)~ボン・ディスパーニョ(14:30)
歩行時間:3時間30分

石造りが見事なポン・ディスパーニョ(スペイン橋)








駐車場から石畳の道を歩き、石造りのスペイン橋を渡ったレストハウスが登山口。
この辺り、気持ち良い散策路もあり、ハイカーも多く訪ずれている。又、ここからリフトで、ゴープ湖へ一気に登る事もできる。
深い樹林帯の中の緩やかな登りで、それ程きつくはない。約1時間程で周囲が開け、ゴープ湖に到着する。藍色のてとても奇麗な湖だ。湖畔にはレストランもあるが、朝の早い時間でもあり開いていない。
湖面に周囲の山々が写るゴープ湖
登山道から振り返って観る
湖畔沿いの右手の道を迂回し、谷間のゆるやかな道を登って行く。振り返るとU字谷にぽっかり浮かぶゴープ湖の素晴らしい絶景が目に入ってくる。比較的楽な道でウレット川の川音を聞きながら、快調に登っていく。しばらく進むと、ヴェニュワールの迫力ある頂が見えてくる。牛が草を食む草原のような場所を過ぎると、目の前には木橋と滝、その奥にヴェニュワール山と、絵も云えない素晴らしい絶景が広がる。滝の下では、テントを張っているグループもおり、昼食時でもあり、煙がたなびいている。
モレーン台地の上に建つウレット小屋
テント場を横に見ながら、手前の岩山を乗り越えると、ウレット小屋に到着する。目の前は広々とした湿地帯で、その奥に氷河を抱いたヴェニュワール山の大岩峰が圧倒的な迫力で迫ってくる。牧歌的なのどかさと、荒々しを2つの顔を持った不思議な風景である。テラスに座り、ランチタイム。ヴュニュワールとは、「困難な山」と云う意味、800mの巨大な壁を登るには、熟練ロッククライマーのみが許される場所なのだろうな。ここから、さらにいくつかのコースがあるようで、右手の崖を登って行くと隣の谷へ抜けられるようだ。心地良い時間を過ごした後、元の道を下り、15:00発のバスでコトゥレに戻る。
ウレット小屋からのヴュニワール山(▲3,298m)